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 形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質“Quality of Life”の向上に貢献する、外科系の専門領域です(日本形成外科学会HPより引用)。つまり、からだの“見た目”と“使い勝手”の両方を良くするために手術などを行う診療科です。

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形成外科で扱う疾患

 形成外科は特定の臓器を治療するのではなく,頭から足まで全身が治療対象になります。
 

皮膚、軟部組織の良性腫瘍

 全身の皮膚や軟部組織の良性腫瘍に対する切除術を行います。良性腫瘍には母斑細胞性母斑(ほくろ)、表皮嚢腫(粉瘤)、脂漏性角化症(老人性いぼ)、脂肪腫、ガングリオンなどがあります。皮膚や皮膚の下にある “できもの”が気になった時はお気軽にご相談ください。
 
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  • 母斑細胞性母斑
    a 切除のデザイン
    b 切除後
    c 初診時
    d 術後6か月
  • c
  • d
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  • a
  • b
  • 脂肪腫
    a 切除前(右上腕)
    b 摘出した腫瘍
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  • a
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  • 表皮嚢腫
    a 切除前(左腰部)
    b 摘出した腫瘍

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皮膚悪性腫瘍

 三大皮膚癌といわれる悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌を中心に、皮膚悪性腫瘍の切除術を行っています。切除後に大きな組織欠損を生じた場合は植皮や皮弁などの組織移植により治します。さらに手術後の薬物治療、放射線治療を含めた包括的な診療を行っています。「もしかして悪いものかも」と心配になった時は御相談ください。
  • 基底細胞癌
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  • 有棘細胞癌
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  • 悪性黒色腫
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左踵部悪性黒色腫
a 切除および皮弁のデザイン
 腫瘍の辺縁から2㎝離し,踵骨の出る深さまで切除する。つちふまずから内側足底皮弁を血流の保たれた状態で移植する。

b 手術終了時
 内側足底皮弁採取後の皮膚欠損には大腿部から0.3㎜厚の皮膚片を移植した。

c 術後1年
 再発なし。歩行が可能となっている。

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他科の悪性腫瘍切除後の再建手術

 乳癌切除後の乳房再建では、背部や腹部の皮弁を移植する自家組織再建、シリコン製インプラントを用いた人工物再建のいずれも行います。乳房切除と同時に行う一次再建、切除後に時間がたってから行う二次再建のどちらにも対応いたします。近年、乳房再建術は増加傾向で、2024年度は32件の再建手術(一次再建、二次再建を含む)を行いました。
 舌癌、上下顎癌、下咽頭癌などの切除後の遊離皮弁を用いた頭頸部再建、外陰癌切除後の外陰部再建など、他の診療科が切除を行った後の再建手術も当科が担当します。
 
  • a
  • b
  • 乳癌
    a 初診時
     5年前に乳癌の切除術を受けた。
    b 乳房再建後1年
     広背筋皮弁移植により再建した。乳頭乳輪形成も行った。

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  • a
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舌癌
a 採取した遊離前外側大腿皮弁
 皮弁の右端に動静脈がつながっている。

b 手術終了時
 耳鼻科で切除された舌の欠損部に遊離前外側大腿皮弁を移植した。移植の際には頸部の血管に皮弁の血管を顕微鏡下で吻合した。

c 手術後1年
 嚥下や構音の機能を維持できている。

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先天異常の治療

 多指症、合指症、口唇裂、小耳症、臍ヘルニアなどの生まれつき生じたからだの形の異常についても治療いたします。
 
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  • 足の多合趾症
    a 術前
     ゆびが1本多い。
    b 術後半年
     第5趾を切除し,趾間形成も行った。

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外傷の治療

 顔面骨骨折、熱傷などの急性創傷については救命診療部と協力して緊急手術ができる体制をとっております。糖尿病や慢性動脈閉塞症を原因として生じる足壊疽、寝たきりの方に発生する褥瘡(床ずれ)などの治療も行っております。
 外傷後や手術後の瘢痕(きずあと)、ケロイドに対しても修正手術などの治療を行っています。
 

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眼瞼の治療

 眼瞼下垂症、眼瞼(睫毛)内反症、眼瞼外反症などの視野や視力に影響を与える疾患の治療、眼瞼の腫瘍の切除や再建手術なども当科で行っています。
 
  •  a
  • b
  • 眼瞼下垂症
    a 術前
     上眼瞼縁が瞳孔にかかっている。
    b 術後半年
     上眼瞼挙筋前転手術を行った。上眼瞼縁が瞳孔を隠さなくなっている。

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  • a
  • b
  • c
  • d
上眼瞼脂腺癌
a 切除および皮弁のデザイン
 腫瘍の辺縁から5㎜離し,皮膚側から結膜側まで上眼瞼を拡大切除する。なくなった上眼瞼を下眼瞼皮弁で補填し,さらに下眼瞼がなくなったところを頬部回転皮弁で再建するデザイン。
b 手術終了時
c 初診時
d 手術後半年
 初回手術の3週間後に下眼瞼皮弁の切り離し,眼瞼形成手術を行った。開閉瞼が問題なくできている。

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その他

 顔面神経麻痺、腋臭症、腋窩多汗症、陥入爪等も当科で扱っています。
 

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手術実績

2024年度の手術及び検査実績
 入院手術外来手術合計
外傷81 113 194 
先天異常17 20 
腫瘍125208 333 
瘢痕拘縮・ケロイド21 25 
難治性潰瘍100108 
炎症・変性疾患29 23 52 
その他36 42 
合計392 382774 

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医師紹介

吉井 聡佳

形成外科部長・皮膚科部長

柏木 圭介かしわぎ けいすけ

徳島大学 平成15年卒業

専門分野マイクロサージャリー、頭頸部再建、乳房再建、皮膚腫瘍外科
指導医・専門医・認定医
日本専門医機構認定形成外科専門医、形成外科領域指導医、再建・マイクロサージャリー分野指導医、皮膚腫瘍外科分野指導医、日本創傷外科学会専門医、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師、乳房増大用エキスパンダー/インプラント実施医師、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了、臨床研修指導医養成講習修了
吉井 聡佳

形成外科部副部長

吉井 聡佳よしい さとか

徳島大学 平成18年卒業

専門分野形成外科一般
指導医・専門医・認定医
日本専門医機構認定形成外科専門医、形成外科領域指導医、日本創傷外科学会専門医、皮膚腫瘍外科分野指導医、臨床研修指導医養成講習修了
吉井 聡佳

医師

坂本 恵子さかもと えこ

高知大学 平成28年卒業

専門分野形成外科
指導医・専門医・認定医
 

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