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呼吸器疾患全般に対応します
原発性肺癌、転移聖杯腫瘍、縦隔腫瘍(胸腺腫、胸腺癌、肉腫)縦隔良性腫瘍(膿疱性腫瘍、神経鞘腫)、胸壁腫瘍、胸膜中皮腫、気胸、膿胸、アスペルギルス症、非結核性抗酸菌症、重症筋無力症、多汗症
また外傷や診断のための胸膜生検など
また外傷や診断のための胸膜生検など
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当科は肺癌登録合同委員会の第10次事業、第11次事業に参加しています。
当院で肺癌に対する外科治療を受けられた患者さまの診療情報を肺がん登録合同委員会第10次事業、第11次事業に登録し、全国および国際共同研究に貢献する予定です。個人情報の管理は厳重にしておりますので、ご理解お願いします。ただし事業と研究への参加を拒否される場合はご連絡ください。拒否の申し出のある患者さまの診療情報の登録はいたしません。ご協力よろしくお願いいたします。
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治療法の特徴

図のごとく、手術は低侵襲化しており、当院でも積極的に内視鏡低侵襲化手術に取り組んでいます。
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ロボット支援下手術(肺がん、縦隔腫瘍手術)
Robot-assisted Thoracic Surgery : RATS
ダビンチ(intuitive社)というロボットを用いて低侵襲で精度の高い手術を呼吸器外科では2022年3月より導入しました。ロボット支援下の肺癌手術、縦隔腫瘍手術を主に施行します。この手術は、術野の細かい部分を拡大でき、立体視する3Dカメラと、執刀医が思いのままに動かせる手ブレのない多関節鉗子により、小さな穴で手術が可能です。また血管剥離、リンパ節郭清においてより繊細な手技を可能にします。患者さんの肋骨や神経を切る必要がなく、開胸器も使用しません。そのため肋間の損傷が少なく、術後の疼痛を軽減できる可能性があります。
※ロボット支援手術は十分な訓練を経て認定を受けた医師のみが行うことができ、器械自体にも正常な動作を維持する機能が数多く備わっています。手術に携わるスタッフも訓練を積み、徹底した安全管理のもとに行われます。
縦隔の手術では、重症筋無力症患者に対する拡大胸腺摘出術なども行っています。
縦隔の手術では、重症筋無力症患者に対する拡大胸腺摘出術なども行っています。
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単孔式胸腔鏡下手術(Uniportal VATS)による肺がん手術
痛みが少ない単孔式(一つの孔)
米国でロボット手術が普及してきましたが、 近年、中国やヨーロッパから発信された単孔式胸腔鏡手術が日本でも取り入れられ始めました。「単孔式」はその文字の通り1つの孔(あな)で手術を行う方法で、長くて曲がりのある専用の器具を使うことで安全に行えるようになってきました。創が少ないことから痛みが少なく、整容性にも利点があります。当院においても積極的に取り入れています。
米国でロボット手術が普及してきましたが、 近年、中国やヨーロッパから発信された単孔式胸腔鏡手術が日本でも取り入れられ始めました。「単孔式」はその文字の通り1つの孔(あな)で手術を行う方法で、長くて曲がりのある専用の器具を使うことで安全に行えるようになってきました。創が少ないことから痛みが少なく、整容性にも利点があります。当院においても積極的に取り入れています。
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完全胸視下胸腔鏡手術(complete VATS)
現在のI期肺癌の標準的手術としています。
肺がんに対する内視鏡手術である胸腔鏡を用いた手術(Video-assisted Toracic Surgery: VATS(ヴァッツ))は世界的に拡大し、2〜3センチの穴3か所で行う完全鏡視下胸腔鏡手術は当院でも従来から基本術式としています。
肺がんに対する内視鏡手術である胸腔鏡を用いた手術(Video-assisted Toracic Surgery: VATS(ヴァッツ))は世界的に拡大し、2〜3センチの穴3か所で行う完全鏡視下胸腔鏡手術は当院でも従来から基本術式としています。
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剣状突起下 縦隔腫瘍(胸腺腫)摘出術を導入。
縦隔腫瘍や重症筋無力症の拡大胸腺摘出術を適応症としています。
心窩部(みぞおち)の部位のポートからカメラと鉗子を挿入し、足側から見上げるような視野で手術します。二酸化炭素を縦隔に送気(CO2 insufflation)することによって、両側の肺と縦隔を圧排させて良好な手術操作スペースをつくり、単孔式手術用の器具を使用する事により創1つ(または5mmの補助ポートの追加)で行うこの手術は、整容的に優れ、胸骨切開や肋間神経損傷もなく、もっとも低侵襲な縦隔への手術です。
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気胸に対する手術療法
高知赤十字では近年9年間(2016年~2024年)で気胸の診断で治療した患者は892例であり、その中で手術を施行した症例は165例でした。胸腔ドレーン挿入による保存的治療から手術治療(ブラ切除、結紮、縫合、シート補填など)まで、救急対応も積極的に受け入れ、迅速な対応をしております。
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胸部外傷
外傷性血気胸
近年9年間(2016年~2024年)に当院で治療した気胸、外傷性血気胸、肋骨骨折の患者は 892例であり、その中で外傷性血胸、血気胸の患者は151例でした。呼吸器外科が手術を施行した症例は17例でした。救急搬送での胸部外傷も広く受け入れています。
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呼吸器チーム医療の充実
呼吸器内科専門医、呼吸器外科専門医をはじめとするメデイカルスタッフ(看護師、栄養士、理学療法士、薬剤師など)が、患者様とともに、それぞれの専門性をもとに、高い知識と技術を発揮し、互いに理解し目的と情報を共有して、連携・補完しあい、その人らしい生活を実現するためのチーム医療に取り組んでいます。
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手術実績
令和6年度の主な手術症例
令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | ||
原発性肺癌 | 37 | 28 | 49 | |
葉切除以上 | 25(23) | 21(20) | 26(26) | |
区域切除 | 5(5) | 1(1) | 6(6) | |
部分切除 | 6(6) | 6(6) | 15(14) | |
試験開胸 | 0 | 0 | 2 | |
転移性肺腫瘍 | 13(11) | 12(12) | 7(6) | |
自然気胸 | 19(19) | 21(20) | 13(13) | |
縦隔腫瘍 | 10(7) | 9(8) | 4(3) | |
その他(外傷、感染症など) | 16(13) | 14(12) | 12(7) | |
上記のうちロボット支援下 | 14 | 22 | 24 |
( )内は、胸腔鏡下手術
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医師紹介

第二外科部長
吉田 光輝よしだ みつてる
徳島大学 平成8年卒業
専門分野呼吸器外科
指導医・専門医・認定医
日本外科学会専門医・指導医、日本呼吸器外科学会専門医、日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医、日本癌治療学会専門医、検診マンモグラフィ読影医、肺癌CT検診認定医、Certificate of daVinci System as a Console Surgeon、緩和ケア研修会修了、胸部外科学会専門医

第二外科部副部長
松岡 永まつおか ひさし
徳島大学 平成13年卒業
専門分野呼吸器外科
指導医・専門医・認定医
日本外科学会専門医、呼吸器外科専門医、日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、インフェクションコントロールドクター、胸部外科学会専門医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了、指導医養成講習修了

医師
井﨑 富由実いざき ふゆみ
徳島大学 令和2年卒
専門分野呼吸器外科
指導医・専門医・認定医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了

非常勤医師
谷田 信行たにだ のぶゆき
徳島大学 昭和57年卒業
専門分野呼吸器外科、消化器外科
指導医・専門医・認定医
日本外科学会認定医・専門医・指導医、日本胸部外科学会認定医、日本消化器外科学会指導医・専門医・認定医、呼吸器外科専門医、がん治療認定医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了、指導医養成講習修了
呼吸器外科専門医が最新の知見を取り込み迅速で丁寧な治療を行っています。
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