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前立腺がんのプルヴィクト療法はじめました

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PSMA療法導入と前立腺がんについて

 全身のリンパ節や内臓および骨に転移した前立腺がん症例に放射性薬剤を投与する新たな治療法 「PSMA 療法」 を県内で初めて導入しました。
この治療法は放射性リガンド療法で、国内では、小腸や膵臓の神経内分泌腫瘍に対して認可された治療に続き、前立腺がん治療でも認可されました(使用薬剤は異なり、プルヴィクトを用います)。患者のQOL(生活の質)の向上に寄与したり、がんの進行を遅らせたりすると期待されています。
 前立腺がんは尿道を取り囲むようにあるクルミ大の臓器(前立腺)にできるがんで、国立がん研究センターの 「がん情報サービス」 によると、男性に最も多いがんであり、年間の国内の新規患者は10万人以上、死亡者数は1万3000人に上るとされています。
 前立腺内や周囲のリンパ節にとどまる時期に診断された場合は、手術などによる治療が有効で、診断後の5年間に生存する人の割合を示す 「5年相対生存率」 は高い一方で、内分泌治療(ホルモン療法)が効かなくなり、全身の骨やリンパ節・臓器に転移した 「転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」 と診断されると、生存率は約50% に低下します。

PSMA療法とは

 この度、あらたに導入したPSMA 療法(プルヴィクト療法)は、検査によってPSMA 陽性が確認された転移を有する去勢抵抗性前立腺がんの症例が適応となります。前立腺がん細胞に多く存在するPSMA(タンパク質)に結合する放射性薬剤を点滴や注射で投与し、前立腺がん細胞を標的とします。PSMA に結合した薬剤が、がん細胞に取り込まれ、放射線(ベータ線)を放出し、がん細胞内のDNA を攻撃する仕組みです。

治療スケジュール

 治療期間は約8か月で、6週間ごとに1回、計6回の治療を、それぞれ3泊4日で行う計画で、からだから放出される放射線量が基準以下になっていることを確認し、退院となります。

PSMA療法の効果と当院の状況

 去勢抵抗性前立腺がんに対して、これまでおこなわれてきた抗がん剤治療と比較した利点については、副作用や治療頻度が少なく、患者の負担を減らせるのではないかと考えられます。またQOL の向上や生存率の延長に寄与できることが期待されます。
 当院では、放射線を扱う専用の病室を1室用意し、年間に6人程度の治療を目指しています。保険が適応される治療で、また高額療養費制度で患者さんの自己負担額は軽減される見通しです。
  • *放射性物質で汚染されないよう床や壁等は養生しています。
 これまで、PSMA 療法を求めて、日本からは豪州に渡航する症例がみられましたが、今後は国内での治療が標準化され、国内での治療選択肢を増やすことになると期待されます。

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PSMA療法ご希望の方へ

 PSMA療法をご希望の方は、まずは病状や治療経過を把握している主治医にご相談ください。
 PSMA療法は長期の治療となります。当院は専用治療室が1室であることから、既に治療を開始されている方と投与の週が重なる際などにより、ご希望どおりに治療を開始できないケースがあることをご了承ください。

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